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橋下徹の「実行力」と「交渉力」を要約!|後編

さて、本記事では前回の記事でご紹介した橋下徹さんの「実行力」に引き続き、「交渉力」についてまとめました。

実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた (PHP新書)
交渉力 結果が変わる伝え方・考え方 (PHP新書)

「交渉力」はすぐに生かせるノウハウがたくさんあるので、「実行力」よりも即効性がある内容になっていると思います!それでは後編、よろしくお願いします!!

「実行力」を要約した前編はこちらへ!

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小澤
小澤
本書はぼくが新聞配達のアルバイトから中小企業の管理職に至るまでに助けられたビジネス書です!ぜひご一読ください。

橋下徹の「交渉力」

交渉の基本。

相手を動かすには、基本的に3つの手段に分けられる。
1.利益を与える(譲歩する)。
2.合法的に脅す。
3.お願いする。

1.利益を与える(譲歩する)。
「仮装の利益」を作り、相手に譲歩させたと思わせて、要求を飲んでもらうこと。

「仮想の利益」の例:納期を厳しめに設定しておき、交渉過程で納期を延長する。こちらとしては、もともと厳しめの納期設定のため不利益は発生していないが、相手にとっては納期を延長してもらえたという形になる。

2.合法的に脅す。
決裂したら、相手に大きな不利益をもたらすことを示す。ただし、これは自分に力がある時にしか使えない。また、他人の力を使うことには意味がない。その人がいなくなれば、ふたたび牙を剥く。もちろん法律の範囲内での健全な脅しをすること(立場を利用して圧力をかけたりするのはNG)。

合法的な脅しの例:他社からも同様の提案を受けていることを伝え、最終決裁の主たる材料が価格であることをチラつかす。

3.お願い。
これは最終手段で、いわゆる泣き落とし。そうまでして獲得しなければいけない目標であれば、使用しても良い。

お願いの例:ぼくに一回だけチャンスをください!お願いします!!

ここまでくると、条件がどうとかではなく、もうお互いの関係性とか情に訴える形になる。

以上3つが、交渉における大前提である。

交渉前の準備。

①自分が譲れないラインを明確にし、絶対に獲得しなければいけない目標を明確にすること。
こちらが譲歩できるカードも明確になる。かつ、先に譲歩することができる。先に譲歩することは弱腰に見えるが、譲れないものが明確なため、結果的に交渉をリードすることができる。

②相手の優先順位を知ること。
相手は何が欲しいのか?相手が絶対に獲得したいと思っていることを知る。

③相手の価値基準を知る。
会社のルールに則すのか?体裁を気にするのか?ワンマン経営で社長の機嫌に左右されるのか?ケチくさいのか?など。相手が判断する上で重要視する性格を知っておくことで、切るべきカード、カードの出し方が変わる。

譲歩したように見せる「仮装の利益」の作り方。

①わざと多く見せる(ふっかける)。
納期、品質の強い要求。

②一旦譲歩できないふりをして、譲歩する。
一旦、持ち帰る。断っておいた後に、なんとか要求が満たせたという譲歩。

③相手が困る状況を設定し、それを取り除く。
困りすぎると決裂するので、注意。

交渉の心構え。

①交渉が決裂しても相手を侮辱しない。人間関係そのものが壊れてしまう。最後は握手して終えること。
価値観、思想、信条では交渉しないこと。感情的になり、論点がズレて決着しなくなる。
③獲得目標を最小限に絞り、それ以外は捨てる覚悟を持つ。
④上司や部下に対しても、獲得目標を明確にしておく。交渉が発生した際に迷いがなくなる。
⑤相手を余分に追い詰める交渉は、自分の評判を悪くするので、不必要に詰める必要はない。
決裂しそうな場合、要素分解する。ここはダメだけど、ここは良かったんだということが意外とあったりする。
⑦上記同様に、上司からの無茶振りに対しても要素分解することで、上司自身のこだわりと妥協点を炙り出すことができる。

まとめ:交渉は基本的にこじれないものである。

・絶対に譲れない条件を明確にする。
・相手が絶対に譲歩できない条件を知る。
・価値観、思想、信条などで交渉しない。
・大きな交渉は要素分解し、妥協点を炙り出す。
・最後は握手で終わる。

本書でも言及されていましたが、交渉というのは結局、譲歩できる手札のカードを互いに順番に切っていく作業なので、本来はこじれるはずがないんですね。

これが、交渉前にちゃんと整理できてなかったり、交渉の途中で感情的になって論点がズレていくからおかしなことになってしまいます。

特に、最後は握手をして終わること。

これは本当に大事なことだなぁと思います。交渉のテクニックとは全く違う、これもまさしく倫理観に近いですよね。ぼくも普段、交渉をする場面が多々ありますが、この終わり方になるようとても意識しています。