広告研究

「いちばんの可能性を、プレゼントしよう。」は辞典を再定義した広告コピー。


「調べる」の代名詞とも言える「ググる」。

知らない言葉が出てきたら、もはや辞書や辞典ではなく、Google検索することが普通になりました。辞書も辞典も何年も触ってないし、長い間その姿すら見ていません。

そんな時代のなか、小学館の国語辞典の広告コピーが非常に秀逸で、辞典をモノとして持っておくことの意味を改めて感じました。

いちばんの可能性を、プレゼントしよう。

小学館 例解学習国語辞典

「可能性を、プレゼント」
ここに注目して考察してみたいと思います。

「可能性」=「辞典」と置き換えているわけですが、辞典がどうして可能性といえるのか? CMでは男の子が部活を通して、友情や努力や勝利を経験するまでの過程が描かれており、経験を通して知った言葉の意味を、国語辞典で調べて学んでいきます。

つまり、国語辞典には子供たちが「これから出会う言葉(経験)」=「可能性」が載っているといえるんですよね。

「検索」との大きな違いは、辞書の場合知りたい言葉〝以外〟が載っていて触れられること。これからの人生でおそらく出会うことになる「可能性」を予感できるのが、「辞典」の良いところなんだと気づかされました。

大人になった今からでも、「辞典」を購入して自分の「可能性」を覗きにいこうかな、と思わせてくれるコピーです。