雑記

【映画】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ラストシーンの考察!

今回紹介する映画はこちら…
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

タランティーノ監督の作品のなかでナンバー1…いや!!個人的にはオールタイムベストに入る映画となりました。めちゃくちゃ素晴らしい映画です!

この映画はこんな方にオススメ!

「仕事やプライベート、人生で悩んでいる人」

なぜなら…『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はあなたの人生を優しく肯定してくれるからです!

※ネタバレ前提のレビューとなります!
というのも、映画の「設定」と「結末」そのものが作品のメッセージと直結するからです!すでに鑑賞済みの方に「こんな角度での見解はいかが?」というレビューになります。

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』概要・あらすじ・キャスト

概要

1969年にハリウッド女優シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された事件を背景に、ハリウッド映画界を描いた作品。クエンティン・タランティーノが監督を務め、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットの初共演作品。(wikipediaより)

あらすじ

舞台は1969年のハリウッド。リック・ダルトンはかつてテレビドラマで主演を務めていたスター俳優だったが、近年は単発ゲスト出演が多くなっており、自身の今後のキャリアについて悲観的になっている。トレーラーハウスでピットブルのブランディと暮らしているクリフ・ブースは、リックの親友かつ専属スタントマンで、リックとクリフの2人はいつも行動を共にしている。ある日、リックの邸宅の隣にローズマリーの赤ちゃんで大ヒットを飛ばした映画監督のロマン・ポランスキーと、新進女優シャロン・テートの夫妻が引っ越してきた。(wikipediaより)

監督・脚本

クエンティン・タランティーノ

キャスト

リック・ダルトン:レオナルド・ディカプリオ
クリフ・ブース:ブラッド・ピット
シャロン・テート:マーゴット・ロビー

ラストシーン考察!名もなき二人が世界を変える!

名前も顔も知られていない、落ち目の二人

本作の主役であるリックとクリフ。二人はまさに、あの人は今?状態になっています。街を歩いていて顔を指されることもありません。(それでも、なんだか楽しそうな日常を過ごす彼らの会話劇は、相変わらずのタランティーノ節全開!言及しませんが、二人がとても愛おしく、いつまでも会話を聞いてられるくらいです。)特にリックのスタントマンとしてコンビを組むクリフは非常に重要な人物です。リックと少し違うのは、彼はスタントマンという、そもそも裏方の道を選択していること。表舞台に立つ可能性が極めて低い存在です。そんな劇中でも存在感が非常に薄い彼らが、実際に起こった大事件と実在する人物に関わることが本作の核です。そして大きな意味を持っています。

女優シャロン・テート殺人事件

リックとクリフ、あくまでフィクションの存在である二人に対し、女優シャロン・テートは実在する人物です。そして彼女は1969年8月9日、狂信的なカルト集団に殺害をされてしまいます。(事件についてはいろんなサイトで解説されていますので、割愛します。簡潔に述べると、シャロン・テートは女優としてのキャリアも順調、結婚から1年、妊娠8ヶ月という幸せ絶頂時に無差別に殺害されてしまいます。)

本作はラストシーンに近づくにつれ、この悲劇の日に向かっていきます。観客としてはその最悪の結末がスクリーンで映し出されると予測をしているので、ヒヤヒヤものです。

ところが…

この物語ではリックとクリフが介入することで、シャロン・テートの命が救われる世界が描かれます。つまり、我々の知っている史実と異なった“もう一つの世界”が描かれるのです。

知らない間に世界を変えているかも!?

前述している通り、本作では現実世界で「実在する人」と「実在しない人」が登場します。
リックとクリフはフィクションの人物で「実在」しません。それに加え、劇中のなかでも、顔も指されない存在。極端に言えば、一般人とそう変わらない人です。劇中でも「お前誰?お前のこと俺は知らん」みたいなことを言われている始末(笑)。このキャラ設定やシーンは、「実在する人物」と「リックとクリフという実在しない人物」との線引きを意図的にしているといえます。

そんなリックとクリフがラストシーンで殺されるはずのシャロン・テートを救う。ここにどんな意味があるのか?史実を知っている「観客」が見れば、「歴史が変わった出来事」ですが、リックとクリフからすれば「九死に一生“程度”の出来事」(※あえて程度と表現します)です。カタルシスの規模が違いませんか?

ぼくらの日常も主観的に見ると、取るに足らないことかもしれない。でも、俯瞰してみると、回り回って他人の人生を大きく変えていたり、時代、世界を変えているかもしれない。すべてを知る神様の視点でみれば、ぼくたちだってリックやクリフのように、知らない間に大きな何かを成し遂げているかもしれないんです!

まとめ

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は
あなたの人生を優しく肯定してくれる!

その理由となるポイントは…

①前提として、史実をベースにした映画であること。
②結末が、実在しない“名もなき2人”によって改変されること。

このことから映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、リックやクリフのように、人生がうまくいかず、行き詰まっている人…そして、シャロン・テートのような、すでにこの世にはいない人たちの人生まで輝かせる映画といえるのではないでしょうか。